
今年は、秋篠宮家の長女、小室眞子さんと圭さんの結婚で2人へのバッシングが続いた。去年は、プロレスラーの木村花さんがバッシングの末に亡くなった。インターネットには、マイノリティーに対するヘイトもあふれかえる。私たちの社会は、なぜ、「いけにえ」を求めるのか。どうしたら標的にされた当事者は救われるのか。
根底に世間の同調圧力 佐藤直樹・「世間」評論家
小室圭さんへの攻撃をはじめ日本で起きているあらゆるバッシングの根底にあるのは、欧米などには存在しない「世間」であり、世間の中で強まっている「同調圧力」だと思う。
世間とは、日本人が集団になった時に、その空間に生まれる力学的なものだ。欧州でも12世紀前後までは世間があった。だがキリスト教が広がり、神と向き合う「個人」が生まれ、個人が集まって「社会」が作られた。社会は法というルールで支配され、世間は消えた。
この記事は有料記事です。
残り4046文字(全文4423文字)