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高橋智史が撮る故郷・秋田

「第38回土門拳賞」受賞者のフォトジャーナリスト・高橋智史氏が撮影した、故郷・秋田をテーマにした作品を紹介します。

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高橋智史が撮る故郷・秋田

受け継がれしものたち 命を刻む 男鹿・ナマハゲ面彫師 /秋田

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ナマハゲの面を制作する石川千秋さん=秋田県男鹿市の「なまはげ館」内の工房で2021年4月撮影
ナマハゲの面を制作する石川千秋さん=秋田県男鹿市の「なまはげ館」内の工房で2021年4月撮影

 ナマハゲの面を作り続ける、日本唯一の職人がいる。「ナマハゲ面彫師」の石川千秋さん(66)だ。先代である父(故人)の後を継ぎ、親子2代にわたる「石川面」と呼ばれる面を生み出している。行政の勧めもあり、石川さんの父は工芸品として、高度経済成長期の1960年代に、ナマハゲの面を彫り始めた。その背中を追い、石川さんも22歳から面彫師になった。石川面は現在、ナマハゲの象徴的な顔として全国に知られている。

 「角や歯は鋭利にせず、丸みを含んだ形状にしています。ナマハゲは鬼ではなく、神様だからです。鬼のような形相を表現しているのです。鏡を見て、顔をしかめ、要素を取り入れます。面は、私の表情に似ていると言われることもありますよ」と石川さんは話す。大みそかの夜に、男鹿半島全域約90町内で行われる民俗行事「男鹿のナマハゲ」では、素材や形状の異なる継承された面が、各町内で用いられてきた。現在は、およそ30の町…

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