
国民に政府文書の開示を求める権利を定めた情報公開法が2001年に施行されてから20年が経過した。開かれた政府の実現が期待されたが、森友学園を巡る財務省の決裁文書改ざんや、「桜を見る会」の招待者名簿が短期間で廃棄されるなど、制度がないがしろにされるケースが相次いでいる。【聞き手・青島顕】
官僚のあしき文化を変革 藤井昭夫・元総務省行政管理局長
情報公開法は役所にアカウンタビリティーを持ち込んだ。「説明責任」と訳されるが、行政情報を常に説明可能な状態にしておくことだ。これが役所を大きく変えるきっかけになったのは間違いない。
かつての官僚は「国士」として国家を背負う気風を持つ一方、守秘義務や先例主義にとらわれて情報の独占を当然だと考えていた。それが「官官接待」や業界とのなれ合いといった、あしき文化を生んだ。情報公開法は政府と国民を対等な仲間の関係にしようとするものだ。
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