特集

東日本大震災

2011年3月11日に発生した東日本大震災。復興の様子や課題、人々の移ろいを取り上げます。

特集一覧

景色は変わっても、初詣は変わらない 双葉・復興とコロナ収束祈り

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
初発神社で初詣をする参拝客=福島県双葉町長塚で2022年1月1日午前9時3分、玉城達郎撮影 拡大
初発神社で初詣をする参拝客=福島県双葉町長塚で2022年1月1日午前9時3分、玉城達郎撮影

 東日本大震災から11回目の新年を迎えた1日、東京電力福島第1原発事故に伴い全町避難の続く福島県双葉町長塚の初発(しょはつ)神社では、初詣に訪れた参拝客が1日も早い町の復興や新型コロナウイルスの早期収束を祈った。

初詣の参拝客をおはらいする高倉洋尚宮司=福島県双葉町長塚の初発神社で2022年1月1日午前0時1分、玉城達郎撮影 拡大
初詣の参拝客をおはらいする高倉洋尚宮司=福島県双葉町長塚の初発神社で2022年1月1日午前0時1分、玉城達郎撮影

 2011年の東日本大震災の揺れで社殿が傾くなど被害が出た初発神社は、19年に再建された。神社のある区域は原発事故による避難指示が続いているが、20年3月に立ち入り規制が緩和された。

1年の役目を終えた破魔矢やお札などをたきあげる初詣の参拝客=福島県双葉町長塚の初発神社で2022年1月1日午前9時6分、玉城達郎撮影 拡大
1年の役目を終えた破魔矢やお札などをたきあげる初詣の参拝客=福島県双葉町長塚の初発神社で2022年1月1日午前9時6分、玉城達郎撮影

 同県いわき市に避難している宮司の高倉洋尚さんは(60)は「早く避難指示が解除され、多くの人に足を運んでもらいたい」と話した。いわき市に避難し、11年ぶりに参拝した金物店「伊藤物産」の伊藤拓未社長(32)は両親と弟と共に訪れた。「周りの景色は変わってしまったが、幼い頃から初詣や七五三で来ていた場所でまた参拝ができ、懐かしい気持ちがよみがえった」と感慨深げだった。

双葉町産業交流センターの屋上から初日の出を眺める人たち=福島県双葉町中野で2022年1月1日午前7時27分、玉城達郎撮影 拡大
双葉町産業交流センターの屋上から初日の出を眺める人たち=福島県双葉町中野で2022年1月1日午前7時27分、玉城達郎撮影

 双葉町では、初日の出の観賞場所として町産業交流センター(同町中野)の屋上が開放され、約80人がご来光を待ちわびた。午前7時過ぎ、分厚い雲の合間からオレンジ色の太陽が見えると歓声が上がり、写真を撮ったり手を合わせたりして、新年の決意を新たにした。

 原発事故で双葉町から茨城県つくばみらい市に避難している無職の児玉武博さん(73)は「自宅のあった場所は(除染廃棄物などを保管する)中間貯蔵施設になり、近寄ることはできず残念だが、11年ぶりにここで初日の出を拝むことができた。たくさん双葉に足を運びたいから早くコロナが収まってほしいね」と疫病退散を願った。

 初発神社のある双葉町の特定復興再生拠点区域は6月以降に避難指示が解除される見込みで、今月20日から帰還準備のため住民が自宅などに泊まる「準備宿泊」が始まる。【玉城達郎】

【東日本大震災】

時系列で見る

関連記事

あわせて読みたい

この記事の特集・連載
すべて見る

ニュース特集