東日本大震災

復興と脱炭素、外資挑戦 福島で断熱材事業 雇用も創出

  • ブックマーク
  • 保存
  • メール
  • 印刷
除染作業を終えた空き地が広がり、人通りもほとんどない被災地=福島県富岡町で2021年3月、高橋祐貴撮影
除染作業を終えた空き地が広がり、人通りもほとんどない被災地=福島県富岡町で2021年3月、高橋祐貴撮影

 2011年の東京電力福島第1原発事故で甚大な被害が出た福島県富岡町。この地で経営難に陥った断熱材販売を手がける会社の事業が昨夏、欧州のメーカーに譲渡された。外資はなぜ原発近くの小さな町を事業拠点に選んだのか。

回復の兆し見えず

 福島第1原発に近い富岡町。原発事故から10年の節目を迎えた昨年3月、町内を歩くと、除染作業を終えた空き地が点在する光景が目に入った。人影はまばら。廃炉や除染作業に住民の多くが携わっているせいか、中心地の商業施設を除けば、住民とすれ違うことも少ない。財務省東北財務局と福島財務事務所が昨年7月に公表した福島県内経済の総括判断は「厳しい状況にあるものの、緩やかに持ち直しつつある」。しかし、この町で景気回復の兆しを感じ取ることはできない。

 同町で断熱材を販売してきた「万象ホールディングス(HD)」から事業譲渡を受けたのは、欧米などに49拠点を持つデンマークの断熱材メーカー、「ROCKWOOL(ロックウール)」グループだ。帝国データバンクによると、万象HDは18年、放射能汚染が著しい農地を除染、造成した「富岡工業団地」内に製造工場を建てたが、設備投資費や管理費がかさんで43億円の負債を抱えた。自主再建が困難となり、取引先のロックウー…

この記事は有料記事です。

残り1357文字(全文1888文字)

あわせて読みたい

ニュース特集