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宮崎県延岡市北川町の「川坂湿原」に2021年12月上旬、草刈り機を積んだ軽トラックが続々と集まってきた。「川坂川を守る会」が毎冬行う草刈りだ。メンバー9人が人の背より高く生い茂る雑草を勢いよく刈り取っていく。安藤重徳会長(75)は「放置するとすぐに木が生えてしまう」と苦笑いする。
川坂川の支川・山ノ内谷川沿いに広がる川坂湿原は、近接する「家田(えだ)湿原」と合わせて「北川湿原」を形成し、国の「生物多様性の観点から重要度の高い湿地」(重要湿地)の一つ。環境省のレッドリストで絶滅危惧2類のスイレン科の水草「オグラコウホネ」やサトイモ科の多年草「マイヅルテンナンショウ」の他、準絶滅危惧のトンボ「モートンイトトンボ」など希少植物や昆虫が多く確認されている。
06年に宮崎県が「家田・川坂川自然再生事業」に着手し、翌07年に、県野生動植物保護条例に基づく重要生息地に指定した。安藤さんら地域住民は当初「自分ごととして捉えていなかった」が、「このままでいいのか」との思いが芽生え10年に川坂地区の住民10人で会を結成。会員は約20人に増えた。
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