官邸の雰囲気「ガラッと」一変 岸田流で官僚のびのび? ひずみも
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岸田文雄政権が4日、発足から3カ月を迎えた。岸田首相は安倍晋三・菅義偉両政権で顕著だった「トップダウン型」の意思決定プロセスを転換し、霞が関の声を吸い上げる「ボトムアップ型」を目指す。だが、新型コロナウイルス危機対応を巡り混乱も頻発している。リーダー像の模索が続いている。
「政策を推し進める際に大切なことは国民との信頼と共感だ。多くの声を聞き、必要なときには果断に決断しなければならない」
首相は4日の年頭記者会見で政権運営に臨む基本姿勢を説明した。
約9年にわたった安倍・菅政権では、国家安全保障会議(NSC)による外交施策の決定やコロナワクチンの接種加速化など、首相官邸から上意下達で政策が実現する一方、官僚の萎縮を生み、国民への説明責任の意識が薄れたと指摘された。首相が「聞く力」を強調するのは、過去の政権に対する反省からだ。
岸田政権は発足後、政策課題ごとに現場の当事者から直接意見を聴く「車座対話」を相次ぎ開催。松野博一官房長官も記者会見で各省庁に詳細を尋ねるよう求める発言が多く、細かな政策運営を霞が関に委ねる場面が目立つ。
首相は2019年11月のテレビ出演の際、最もやりたいことを問われ「人事」と答えたことがある。当時は「岸田氏には明確な国家観がない」との批判を受けたが、首相に近い閣僚経験者は…
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