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ワクチン巡るデマ拡散、主な起点は7アカウント 「命奪いかねない」

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 激しく波を打つ2本の折れ線グラフ。「新型コロナウイルスのワクチン接種で不妊になる」といった科学的根拠のない主張を巡るネット交流サービス(SNS)上の攻防を可視化したものだ。作成した東京大の鳥海(とりうみ)不二夫教授(計算社会科学)の分析によれば、ツイッターで2021年に拡散したワクチンと不妊をめぐる誤情報のおよそ半分は、わずか七つのアカウント(発信者)が起点になっていた。

 SNSのビッグデータ解析が専門の鳥海教授は、21年1~11月にツイッターに流れた「ワクチン」「不妊」などという言葉が含まれる投稿約55万件を調べた。拡散数の多い投稿(ツイート)とそれを転載(リツイート)したアカウントの関係を分析すると、ワクチンが不妊や流産につながるとの主張に肯定的なグループと否定的なグループの分断構図が浮かんだ。

 不妊につながると主張するグループの投稿数は約8万5000件。その半数の起源となった七つのアカウントは、ワクチン反対の立場から海外ニュースなどを紹介したり、反グローバリズムや陰謀論などを主張したりする傾向があった。

 一方、不妊を否定するグループの投稿数は約16万5000件。半数は3人の医師と首相官邸のアカウントの発信が起源だった。両グループとも少数の発信者が大きな影響力を持っていた。

 こうした投稿が拡散し始めたのは21年2月。医療従事者を対象に先行接種が始まった時期に重なる。あるアカウントは、米モデルナ社製ワクチンの動物実験で一定割合が不妊になったとの研究事例を投稿した。すると瞬く間に多くの賛同者から「いいね」がついた。

 その直後、研究者を名乗る匿名のアカウントが…

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