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「町は孤立していた。北は田畑、東は海、西は根戸川、そして南には『沖の百万坪』と呼ばれる広大な荒地がひろがり、その先もまた海になっていた」。作家、山本周五郎(1903~67年)は、浦安町(当時)を舞台にした小説「青べか物語」で、こう描写した。根戸川は現在の旧江戸川を指す。昭和初期の28年から1年あまりを浦安で過ごしたという周五郎は漁師町「浦粕町」で生きる人々の姿を描いた。
東京湾に面し、旧江戸川の最下流に位置する浦安は上流から流れてくる土砂が堆積(たいせき)して形成された。干潟と遠浅の海では魚やアサリなどの漁、ノリの養殖が行われていた。戦後の埋め立て開発によって市域は約4倍に拡大し、東京都に隣接するベッドタウン、そして東京ディズニーリゾートを中心にしたリゾート地として発展した。
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