マクロン氏「うんざりさせてやる」発言物議　53％が「ショック」

　フランスのマクロン大統領が5日付の地元紙のインタビューで、新型コロナウイルスのワクチン未接種者を「うんざりさせてやる」と発言した。高圧的で品位を欠いた表現だとして、野党や市民の間で反発の声が上がっている。

　マクロン氏はパリジャン紙で、未接種者が病床を圧迫し、がん患者らの手術が先送りされているとの看護師女性の訴えに答える形で、「未接種者を減らす。そのために規制をかけてうんざりさせてやる」と発言。ワクチン接種反対派について「重大な倫理的な間違いを犯している。責任感のない者は、もはや市民ではない」と批判した。

　この発言を野党議員らは「国民を分断している」などと問題視し、マクロン政権が提出したワクチン接種者だけに飲食店や映画館などの利用を認める法案の国会審議が一時ストップした。マクロン氏はワクチン接種を新型コロナ対策の柱に位置付けており、政権の閣僚らは発言を擁護した。