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1950年代、きょうだい4人が暮らした佐賀県・旧入野村(肥前町を経て現・唐津市肥前町)の大鶴炭鉱に当時の面影はなかった。貧しさに耐え、力強く生き抜く姿を描いた安本末子さん(78)の日記「にあんちゃん」。58年の初版以降、繰り返し刊行されたベストセラーで、今村昌平監督の手で映画化もされた。70年近くを経た今も、末妹の末子さんやにあんちゃん(次兄)の高一(たかいち)さんの足跡を残し、きょうだいの絆や思いやりの心を伝えようとする取り組みは続いている。
「春のにおいをそよ風にのせて今日は卒業式の日でした。にあんちゃんが特別努力賞をもらわれるのです」。入野小学校大鶴分校跡地に建つ、にあんちゃんの里記念碑。高一さんの卒業式があった54年3月23日の日記の一節が刻まれ、両脇に兄妹の像が立っている。
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