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第71期王将戦

3冠を持つ渡辺明王将に4冠の藤井聡太竜王が挑戦。激戦の様子を棋譜、速報、写真、動画でお伝えします。 ※棋譜中継は棋譜・対局結果にて

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将棋の頂上決戦「ここは正念場」「精度高める」 王将戦9日開幕

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王将戦七番勝負に臨む渡辺明王将(左)と藤井聡太竜王=東京都渋谷区で2021年12月、大西岳彦、吉田航太撮影 拡大
王将戦七番勝負に臨む渡辺明王将(左)と藤井聡太竜王=東京都渋谷区で2021年12月、大西岳彦、吉田航太撮影

 渡辺明王将(37)に藤井聡太竜王(19)が挑戦する第71期ALSOK杯王将戦七番勝負(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催、ALSOK特別協賛、囲碁・将棋チャンネル、立飛ホールディングス、森永製菓協賛)が9日、静岡県掛川市の掛川城二の丸茶室で開幕する。王将戦4連覇を目指す渡辺王将は、名人・棋王をあわせ持つ「3冠」。対する藤井竜王は王位・叡王・棋聖に加え、昨年11月に竜王を獲得し、保有タイトル数では現役棋士最多の「4冠」となった。「将棋界の頂上決戦」とも言える3冠と4冠の直接対決。どんな戦いを繰り広げるのか。両対局者に意気込みを聞いた。【武内亮、新土居仁昌】

渡辺明王将「残りの一押し、考えて」

 藤井竜王が王将リーグを勝ち上がり挑戦者となりましたが、最近の勝ちっぷりからすると、挑戦者候補の筆頭に挙がる棋士なので、特別何か思うことはなかったですね。他の棋戦もそうですが、やはりリーグ戦は勝率的に安定感がある人が勝つ可能性は高いですから。おおむね順当な結果が出たかなっていう感じで見ていました。

藤井聡太竜王との王将戦七番勝負に臨む渡辺明王将=東京都渋谷区で2021年12月13日、大西岳彦撮影 拡大
藤井聡太竜王との王将戦七番勝負に臨む渡辺明王将=東京都渋谷区で2021年12月13日、大西岳彦撮影

 昨年6月に藤井竜王との棋聖戦が始まりましたが、その時は自分としても将棋のコンディションは良かったんです。「それなりに戦えるだろうな」とは思っていました。しかし3連敗となり、ショックでした。自分が3連敗するっていうことはちょっと考えていなかったですから。結果が出ていないので、苦手意識を持っているのではと言われたら、そうかもしれません。もうちょっと互角に近い感じで戦えるような、メドはつけたいなと思います。

 王将戦は、その棋聖戦を踏まえての戦いということになります。しかもタイトル戦としては3回目です。1回目と2回目ってのは当然条件は何か違うし、持ってる材料とかも1回目と2回目は違うし、2回目と3回目も違うってことがあると思うんですけど、3回目と4回目、4回目と5回目ってのはほとんど変わらないと思います。だから自分の持つ材料としては、これから先は多分何回やっても条件が好転することはない。そういう意味では、ここは正念場かなっていう意識はもちろんあります。

渡辺明王将と藤井聡太竜王の対戦成績 拡大
渡辺明王将と藤井聡太竜王の対戦成績

 (藤井竜王とは)初めて2日制でタイトル戦を戦いますが、時間の使い方など戦い方は変わらないと思います。やっぱり流れなので、将棋は。どういう選択をするかっていうのは、その場になってみないと分からないところがありますし、あんまり細かい戦略立てはできないですね。時間の面で序盤に何時間、中盤に何時間使うというみたいなことは、あんまり意味がないかなって思います。

 番勝負で藤井竜王相手に四つ勝つのは大変だと思いますが、棋聖戦の時の戦い方はやはりベースにはなります。2局目、3局目は負けましたが、勝つチャンスもあったような内容だったので、そこの残りの一押し、二押しというところをやれるよう一応考えてやっているつもりです。中盤とか終盤での細かい指し手が勝敗を分けると思うので、その辺の精度を上げるなど、自分の持っているものを出していきたいですね。

藤井聡太竜王「対戦成績意識しない」

 渡辺王将は戦略性の部分で、一局の展開を非常にうまくコントロールされている印象を持っています。また、中盤の複雑な局面であっても、局面の急所を的確に見抜かれているなというのをこれまでの対戦で感じました。対戦成績は8勝2敗と勝ち越していますが、対局数はそれほど多くないので、そんなに意識することもない数字かなとは思っています。

藤井聡太竜王=東京都渋谷区で2021年12月18日、吉田航太撮影 拡大
藤井聡太竜王=東京都渋谷区で2021年12月18日、吉田航太撮影

 2020年、21年の棋聖戦五番勝負は1日制で、王将戦とでは持ち時間がかなり違いますし(棋聖戦は各4時間、王将戦は各8時間)、どちらかと言えば、渡辺王将が2日制のタイトル戦で指された対局を参考に対策を練ることになるかなと思います。渡辺王将は戦略家なので、持ち時間に合わせた戦い方をされている印象はあります。自分との対局でも、ほとんどの場面で自分の消費時間の方が上回っていたと思うので、時間配分を意識されているのかなというのは対局をしていて感じました。自分は渡辺王将ほど戦略性を持って戦うことは難しいので、自分なりにしっかり考えて対応できればと考えています。

 プロデビューから約5年がたちましたが、当時と比べると将棋の内容、技術的な面で進歩している部分がかなりあるのかなと思います。9歳から14歳までの5年間と比べれば、もちろん伸びの幅は小さくなっているとは思うんですが、基本的には少しずつですけど伸びている実感はあります。

 渡辺王将とは、2日制の対局で戦うのは初めてになるので、これまでの自分の(経験した)2日制のタイトル戦とは違った展開の将棋になると思います。やっぱり2日制は自分が好きなだけ考えられるという面がけっこうあり、その中で、考えても分からない局面もあるので、戦っていく中で自分の実力や課題が竜王戦などとは違う形ではっきり見えてくるシリーズになるのではないかなと思っています。

 ただ、基本的にこれまでと戦い方を大きく変えるということはありませんので、これまでの、特に2日制の対局の経験を生かしながらさらに精度を高めて指せればと思っています。

 また、王将戦七番勝負の対局場は、これまで行ったところのない県も多くて楽しみです。前期、島根県大田市のさんべ荘で対局者のお二人がそば(三瓶<さんべ>そば)を5枚ぐらい食べられていたのを中継で見ました。自分も食べてみたいですね(笑い)。

【第71期王将戦】

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