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時代の風

各界の文化人が、それぞれの視点で混迷する時代を読み解きます。

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時代の風

加速する種の絶滅 決断の先送り、やめよう=長谷川眞理子・総合研究大学院大学長

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=幾島健太郎撮影
=幾島健太郎撮影

 2022年になった。私が生まれた1952年は、サンフランシスコ講和条約が発効し、日本が米国の占領から独立した年であった。私の小さいころには、白い衣を着た傷痍(しょうい)軍人という人たちがいて、まだ戦争の名残が見られた。

 そこから先は、高度経済成長の時代だ。印象深いのは64年の東京オリンピックである。明日は、来年は、今日よりも絶対に良くなると、みんなが信じていられた時代だった。しかし、一方で政治的イデオロギー闘争がさかんだった。それもこれも、誰もが、よりよい世界が来ることを信じていたからだったのだろう。

 72年、私は大学に進学した。60年代からの学園紛争は終わったが、まだ「闘争」は続いていた。学生たちは一般に政治的な動きからは遠ざかりつつあったが、内ゲバや過激派の一部によるテロ活動が続いた。

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