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さあこれからだ

医師で作家の鎌田實さんが世界各地で出会った人々とのエピソードから、温かく力強いメッセージを届けます。

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さあこれからだ

/184 一人時間を「ソロ立ち」で=鎌田實

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 人間は他者とかかわりたいという欲求をもつ一方で、一人になりたいという欲求も持っている。集団のなかでの心地よさを感じながら、時にはスマートフォンの電源を切って、つながらない時間を持ちたくなるのも自然なことだ。

 また、一対一の関係の距離感も難しい。ヤマアラシのジレンマという寓話(ぐうわ)がある。ドイツの哲学者ショーペンハウアーが唱えたもので、フロイトも心理学に応用したといわれている。背中に太いとげを持つヤマアラシは、寒いと固まって過ごす習性があるのだが、くっつきすぎるとお互いが自分の針で相手を傷つけてしまう。やむなく離れると今度は寒くてたまらなくなる。

 近寄りたいのに近寄れない。友人関係でも、恋愛関係でも、夫婦関係でも、少なからずこのヤマアラシのジレンマを抱えている。コロナ禍では、世の中全体がある意味でこのジレンマに悩まされた。

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