わいせつ保育士の復帰厳格案「本質的解決でない」 識者疑問呈す

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厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影
厚生労働省が入る中央合同庁舎第5号館=東京・霞が関で、竹内紀臣撮影

 わいせつ行為を理由に各都道府県で登録が取り消された保育士が再登録できる時期について、厚生労働省は現行の2年後から禁錮刑以上で刑の終了から10年後に延長する方向で検討している。わいせつ行為をした保育士が容易に現場復帰できないようにする措置だが、「十分な対応とは言えない」などと有識者らから疑問視する声が上がっている。

 保育士資格は児童福祉法(児福法)によって定められた国家資格で、取得後は都道府県への登録が義務付けられている。現行制度では刑事罰を受けても刑の終了から2年で再登録できる。厚労省によると、2003~20年にわいせつ行為で登録を取り消された保育士は男性61人、女性3人。児童へのわいせつ行為で登録を取り消され、再登録を申請した事例も18年4月~20年10月に1件確認しているという。

 わいせつ行為をした人物の再就職で先に社会問題化したのは教員だった。教員免許法は免許を失効した教員について禁錮刑以上で刑の終了から10年、都道府県などが処分した場合は失効から3年は再交付を認めていない。21年5月に成立した「教員の性暴力防止法」では、わいせつ行為で免許を失った教員が再取得を希望する際は都道府県が設置する審査会にかけることで従来よりも再交付を難しくする内容が定められた。

 厚労省が同年11月に有識者検討会で示した保育士に対する見直し案は、教員の性暴力防止法とほぼ同じ枠組みで、再登録可能な時期を現行の2年から禁錮刑以上は10年、処分を受けた場合は3年に延長する内容だ。

 再登録についても教員と同様、都道府県の審査会で判断する仕組みを導入する見込み。登録先とは別の自治体で処分歴を隠して採用されるリスクを回避するため、処分歴のデータベース化も視野に入れる。今月からの通常国会で児福法改正案を提出したい考えだ。

 この見直し案が報じられると、SNS(ネット交流サービス)には「…

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