「日本のインテリジェンスは米の周回遅れ」 兼原信克氏
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インターネットが普及し、インテリジェンス(情報収集・分析)の世界にも変化の波が押し寄せている。国際社会における日本の現状について、外務省出身で国家安全保障局次長などを歴任した兼原信克・同志社大特別客員教授(62)に聞いた。【加藤明子】
ネット普及で「オシント重要性」高まる
――公開情報を読み解く「オシント(OSINT)」(open−source intelligenceの略)の重要性を教えてください。
◆インテリジェンスの8割は公開情報を分析することだと言われてきました。残り2割は、ヒューミント(人を介した諜報(ちょうほう)活動)やシギント(無線・信号傍受による情報収集)など一般の方が想像するインテリジェンスです。
例えば、ある国で起きた10年分の暴動を地図上に描き込めば、いつ、どこでどれだけ起きているのかが一目瞭然です。暴動の背景も見えてきます。これがオシントです。
ただ、国内外を問わず、インテリジェンスの世界で公開情報は軽視されがちでした。外務省では公開情報を読み解くよりも、海外政府の政策決定者に近い人物から直接、話を聞くことが重視されてきました。話を聞けば、表の情報を取ることはできます。しかし、物事には裏があります。ホワイトハウスの中で何…
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