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「平和の祭典」という理想を掲げながら、その時々の国際政治に揺り動かされてきたオリンピック。開幕が迫った北京五輪でも政府高官を派遣しない「外交的ボイコット」の動きがみられる。関係者の体験や証言を通じて政治に揺れる五輪を考えたい。1回目の「幻のモスクワ五輪代表」の津田桂さんに続き、2回目は中国の人権問題について抗議する日本ウイグル協会副会長に聞いた。抗議活動をする中で、故郷にいる「兄の命が危ない」と感じたこともあるという。これまでどんな体験をし、「平和の祭典」をどう見ているのだろうか。
北京五輪で中国の人権問題に欧米が注目
1月9日、神奈川県逗子市の市民センターの会議室で、在日ウイグル人が故郷の中国・新疆ウイグル自治区で起きている人権問題について話す講演会が開かれた。同自治区出身のハリマト・ローズさん(48)は、自身や日本で暮らす多くの同胞が現地の家族と連絡が取れなくなっていることなどを説明し、こう語った。「中国が平和の象徴であるオリンピックをやっていいのか、考えるべきだ」
北京が史上初めて夏冬両五輪を開催する都市となり、中国は1カ月後に迫った大会の成功に国家の威信をかける。国家的事業の準備が着々と進む中で、中国政府による同自治区での人権問題に欧米各国を中心に批判が強まっている。
顔と実名を明かして抗議活動
在日ウイグル人らで作る日本ウイグル協会副会長でもあるローズさんは、顔と実名を明かして、講演や街頭デモで中国の人権弾圧に抗議してきた。自らの行動で故郷の家族が危険にさらされる恐れもある。それでも、現地のウイグルの人たちが声を上げられない以上、自分たちが問題を社会に訴えるしかないという。「できることは何でもやって、一人でも多くの苦しんでいる人を助けたい」と強く思っている。
2005年に大学院留学のため来日。卒業後の13年に故郷に戻ると、社会は変わっていた。以前はウイグルと漢族の人々が一緒に食事やマージャンを楽しむこともあったが、双方の間に高い壁ができていた。各地で検問が行…
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