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収容死の責任「言い逃れ」と怒り 「入管は何も変わらない」 犠牲重ねる司法軽視

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東京出入国在留管理局前で収容者に向かって呼び掛ける支援者たち=2021年12月21日、井田純撮影
東京出入国在留管理局前で収容者に向かって呼び掛ける支援者たち=2021年12月21日、井田純撮影

 昨年、出入国在留管理庁が収容する外国人の人権問題に、改めて光が当てられた。政府が入管法改正案の成立を目指していた3月、名古屋出入国在留管理局(名古屋市)で、収容中のスリランカ人女性、ウィシュマ・サンダマリさん(当時33歳)が死亡。入管行政への非難が高まる中、人権上の問題が多々指摘された法案は廃案に追い込まれた。今国会の再提出も見送る方針という。改めて現状を考える。

 「アイム ダイイング(死にそうだ)――」。昨年12月10日、水戸地裁301号法廷のスクリーンに、苦しみながらそう繰り返すカメルーン人男性の姿が映し出された。2014年3月29日午後7時過ぎ、東日本入国管理センター(茨城県牛久市)の一室で撮影された映像。当時43歳だったWさんは翌30日朝に死亡した。助けを訴える声が次第に弱まっていくほぼ半日の間、入管はWさんをこの部屋にとどめ、死亡確認まで医師の診察機会を与えなかった。Wさんの遺族が国などを相手取って17年に起こしたこの訴訟については、19年7月の当欄で紹介した。

 この日は原告・被告それぞれが申請した医師2人が証人として出廷。映像などを手がかりに、当時の入管側の判断・措置をめぐって医学的見解を求める尋問が行われた。Wさんに糖尿病を含む複数の疾患があったことは、入管も収容直後の診断で前年に把握していた。加えて、最後に入管が認めた死の3日前の診察で、Wさんは胸の痛みやふらつきを医師に訴えている。

 証人尋問では、「死にそうだ」の声が記録される1時間以上前に、Wさんがうめき声を上げ、係官に助けを求める紙を示していたことを映像で改めて確認。原告側証人の医師は「全身をめぐる血液が足りない症状と考えられ、この時点で救急搬送していい状態」と証言した。

 対して国側代理人は反対尋問で問いかけた。「Wさんが…

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