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『岡野弘彦全歌集』(青磁社)が昨年末に届けられた。現代日本を代表する歌人の底力を堪能することができる貴重な出版だ。周知の通り岡野氏は昨年、文化勲章を受章。神官の家に生まれ、幼少から歌に親しみ、その後、戦乱の悲惨さを秘めつつ、国文学者・歌人の折口信夫(釈迢空)の直弟子として仕えた。そうした体験をもとにした歌の世界は、古代と現代を自在に往還する言葉の豊かさと、情感こめた生命への愛に満ちた悲歌の魅力にあふれている。
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