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松喬日和

落語家の笑福亭松喬さんによるコラム。月1回掲載します。

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松喬日和

もらっても渡しても、うれしいお年玉 制度やしきたりで噺家成長

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落語家の笑福亭松喬さん=大阪市北区で2021年6月29日、菱田諭士撮影
落語家の笑福亭松喬さん=大阪市北区で2021年6月29日、菱田諭士撮影

 明けましておめでとうございます。正月、嫁の実家にあいさつに行くと、必ず義父が「正月は冥土の旅の一里塚、めでたくもあり、めでたくもなし。一休禅師」と口にします。その義父が今年96歳で8回目の年男です。杖(つえ)をつくこともなく、電動自転車で元気に買い物に出かけます。調子のいい日はトレーニングのために「電気を切る」と言うのですから「めでたくもあり、めでたくもあり」のスーパー爺(じい)ちゃんです。

 寄席の楽屋は「お年玉制度」が残っています。私は我が弟子全員にお年玉をやります。寄席に行くと年季明けしていない子(修業中の落語家)にも渡します。ウチの弟子2人はまだ修業中ですので、今年は40人近い方々にお年玉を頂きました。私も昔、お年玉で家賃を払った記憶があります。つらい修業時代の中で数少ないうれしい思い出です。その3年間の年季が明けると今度は渡す立場になります。これがまたうれしいんです。一人前に…

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