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オシント新時代~荒れる情報の海

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ディープフェイク「本物と見分けつかなくなる」 馬場口登・大阪大教授

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「フェイクメディア」について説明する大阪大の馬場口登教授=大阪府吹田市の同大吹田キャンパスで2021年12月10日、藤井達也撮影
「フェイクメディア」について説明する大阪大の馬場口登教授=大阪府吹田市の同大吹田キャンパスで2021年12月10日、藤井達也撮影

 進化を続ける人工知能(AI)によるディープフェイク。それによって作られるフェイクメディアの合成や検出技術が専門の馬場口登・大阪大教授(情報通信工学)は「今後は限りなく本物とフェイクの見分けがつかなくなる」と警鐘を鳴らす。情報の海に紛れ込む悪意に立ち向かう最新研究とは。【聞き手・渡辺諒】

SNS投稿画像がフェイクの材料に

 ――どのように研究を進めてきたのでしょうか。

 ◆元々は、監視カメラによるプライバシー侵害を防ぐ技術を研究してきました。その延長で、2016年ごろからネット交流サービス(SNS)でのプライバシー被害、フェイクの合成や検出に関する研究に移行してきました。

 SNSのプライバシー侵害を巡っては、写真を何気なく投稿することで、自分の住んでいる場所が知られてしまったり、高性能カメラで手のひらを撮影した画像を投稿すると、指紋を再現されて認証を突破されてしまったりするという話もあります。

 19年にはアイドルが投稿した写真の瞳に映っていた風景を手がかりに、アイドルが住んでいる地域を特定したファンがストーカーに及んだという事件もありました。これだけ多くの人がスマートフォンを持つ社会では、自分が投稿しなくても、いつどこで誰に撮影され、公開されるか分からない時代になっています。

 ――被害を防ぐ手立てはあるのでしょうか。

 ◆残念ながら現状では難しいです。例えば、旅行や食事…

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