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最愛の妹は、かつて自分が住んでいた木造アパートで下敷きになった。坂本博司さん(60)は「自分が住み続けていればよかった」と後悔し、記憶に蓋(ふた)をし続けてきた。阪神大震災から27年。月日がたち、妹の死を受け入れられるようになった今、自らの変化も自覚しつつある。
「きょうだいとは連絡を取り合うくらいだけど、みんな元気やで。俺は引っ越して、1月17日はこっちに来られなそうやけど、許してな」。2021年12月末、東遊園地(神戸市中央区)の「慰霊と復興のモニュメント」。坂本さんは、犠牲者の名が刻まれた銘板に向かって語り掛けた。妹時子さん(当時29歳)の名を指でなぞりながら。
坂本さんは5人きょうだいの真ん中。思春期に両親とけんかが絶えず、中学生の頃から「一刻も早く家を出たい」とアルバイトに明け暮れた。一方、家を空けがちだった両親らに代わり、4歳下の時子さんら2人の妹の面倒を見ることも多かった。絵が得意で、時子さんが図画工作の宿題を持ち帰ると絵筆を握ってアドバイスした。時子さんは「ひろちゃん」と兄を慕い、坂本さんも明るく優しい妹を可愛がった。
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