国交省統計書き換え 問題意識なく、ずるずると「隠蔽」 その要因

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建設工事受注動態統計の書き換え問題に関しての報告書を提出し、報道陣の取材に応じる第三者委員会の寺脇一峰委員長(左)と舟岡史雄委員長代理=東京都千代田区で2022年1月14日午後1時8分、長谷川直亮撮影
建設工事受注動態統計の書き換え問題に関しての報告書を提出し、報道陣の取材に応じる第三者委員会の寺脇一峰委員長(左)と舟岡史雄委員長代理=東京都千代田区で2022年1月14日午後1時8分、長谷川直亮撮影

 国の基幹統計「建設工事受注動態統計」を国土交通省が無断で書き換えて二重計上していた問題で、同省第三者委員会は歴代担当者らへの聞き取りを積み重ね、意図的、作為的な行為ではなかったとの結論を導いた。一方で問題発覚後の対応は「責任追及を回避したい意識があった」と指摘。公的統計への信頼回復について「政府全体で深刻に受け止め対応しなければならない課題だ」と警鐘を鳴らした。

逃した自浄機会 責任追及回避に終始

 「隠蔽(いんぺい)工作だと断定したわけではないが見る人によって、そういう評価をされても仕方がないことではないか」。第三者委員会の寺脇一峰委員長は報道陣に対し、一連の問題を把握してからの国交省の対応について、遠回しな言い回しを使って批判した。

 一連の問題について、国交省の担当者たちはどう向き合ってきたのか。歴代担当者ら約60人へのヒアリングなどを踏まえた報告書からは、自浄能力を発揮できる機会が幾度もあったことがうかがえる。

 政府の基幹統計のうち厚生労働省の「毎月勤労統計調査」を巡る不正が発覚したのは2018年12月。これを受けて19年1月に始まった、総務省による基幹統計の一斉点検はその一つだった。総務省は点検項目に当てはまらない問題についても、把握した場合は報告するよう指示。だが報告書によると、建設工事受注動態統計を担当する国交省建設経済統計調査室の係長(当時)は書き換えについて報告すべきだと考えたが、相談した上司が消極的だったため見送られた。

 報告書によると、19年4月に着任した新たな担当の課長補佐は書き換えの問題点を認識し、同5月に都道府県の説明会で配るマニュアルから関係する記述を削除。書き換えの取りやめを進言したが、上司が賛成しなかったという。

 上司が問題の対処に消極的な姿勢を示したケースは18年10月にもあった。…

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