大学入学共通テスト始まる 刺傷事件起きた東大でも予定通りに

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手指消毒をして試験会場に入る受験生たち=兵庫県西宮市の関西学院大で2022年1月15日午前10時3分、久保玲撮影 拡大
手指消毒をして試験会場に入る受験生たち=兵庫県西宮市の関西学院大で2022年1月15日午前10時3分、久保玲撮影

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」による感染が急拡大する中で、約50万人が挑む大学入学共通テストが15日、全国の677会場で始まった。広島、山口、沖縄の3県にまん延防止等重点措置が適用されるなど、緊急事態宣言下だった昨年に続き、厳しい感染防止策が求められる中での入試となった。実施主体の大学入試センターによると、試験会場の一つの東京大学(東京都文京区)の付近で受験生らが切りつけられる事件があったが、同会場での試験は予定通り始めた。

 初日の15日は地理歴史・公民、国語、外国語(英語など)、2日目の16日は理科と数学の試験がある。新型コロナの感染などによって受験生が試験を受けられなかった場合に備え、29、30両日の追試の会場を47都道府県に設けている。

 共通テストは、前身の大学入試センター試験に代わり昨年から始まった。大学入試センターによると、志願者は前年比0・9%減の53万367人。このうち、高校などを今春卒業予定の現役生は44万9369人(84・7%)、浪人生は7万6785人(14・5%)だった。

 共通テストを入試の合否判定に利用する国公私立の大学や短期大学などは計864校で、過去最多だった前年から2校減った。

 近年は、受験生が志望校のランクを下げて確実に合格を狙う「安全志向」の傾向が見られた。共通テストの実施は前回が初めてで、出題傾向が予想しにくく、受験生に不安が広がったためだ。

 だが、今回は「揺り戻し」の傾向が生じているようだ。大手予備校・河合塾が2021年10月、25万人に実施した共通テストの全国模試を分析したところ、東京大、一橋大、京都大など「難関国立大」の志望者が前年に比べて10%前後増加した。

 全体の傾向について、河合塾教育研究開発本部の近藤治・主席研究員は「高い目標に挑む受験生が増えている印象だ」と話し、初回で共通テストの出題傾向が分かり、不安感が緩和されたのが要因とみている。

 また、コロナ禍や経済不安の中、学部系統では国公立・私立ともに公務員試験に強いとされる法律系や、歯学、薬学など資格取得が見込める分野の人気が目立つ。一方、外国語や国際系は前年を数%から十数%程度下回った。コロナ禍で海外渡航ができないため留学が見通せないことや、家計への打撃で費用負担がかさみがちな国際系が敬遠されたとみられるという。【大久保昂、千脇康平、田中理知】

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