「受験生が本当にかわいそう」東大切りつけ、近くの駅では爆竹?ボヤ

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ボヤ騒ぎがあった東京メトロ南北線東大前駅の改札付近=東京都文京区で2022年1月15日午前9時58分、手塚耕一郎撮影 拡大
ボヤ騒ぎがあった東京メトロ南北線東大前駅の改札付近=東京都文京区で2022年1月15日午前9時58分、手塚耕一郎撮影

 15日午前8時半ごろ、東京都文京区弥生1の東京大近くの路上で、ともに高校3年の男子生徒(18)と女子生徒(17)、豊島区の男性(72)が刃物で切りつけられた。警視庁によると、3人は背中を刺されて病院に搬送された。高校生2人は命に別条はないが、男性は重傷で緊急手術を受けた。警視庁本富士署は現場付近にいた名古屋市に住む高校生の少年(17)を殺人未遂容疑で現行犯逮捕。近くにあった血の付いた包丁も押収した。容疑を認めており、少年事件課が詳しい経緯を調べている。

 捜査関係者によると、現場は農学部のある弥生キャンパス付近。同大は15日から始まった大学入学共通テストの試験会場となっており、被害者の高校生2人は受験生とみられる。被害にあった男性が近くの交番に駆け込み「刺された」と伝えたという。少年は午前8時39分に署員に取り押さえられた。

 事件の直前には東京メトロ南北線東大前駅でボヤ騒ぎもあった。けが人はなかったが、少年は「東大近くの駅で火をつけようとした」という趣旨の供述をしており、関連を調べている。東京メトロの担当者は「午前8時25分ごろ、駅の改札に爆竹のようなものがまかれ、駅員が消し止めた」と説明。防犯カメラには、上下黒い服を着た人物が逃げる様子が映っていたという。【鈴木拓也、柿崎誠、木原真希】

この日のために勉強してきたのに

 東京大には、切りつけ事件を受けて救急車や警察車両が次々と到着した。現場は、農学部がある弥生キャンパスの「農正門」付近とみられ、近くのコンビニ店の女性店員(25)は「警察官が2人がかりで男性を取り押さえていた。眼鏡をかけた小柄な男性だった。多くの警察官がいて、異様な雰囲気だった」と語った。

 農正門近くで酒販店を営む渡辺泰男さん(82)も眼鏡をかけた若い小柄な男性が警察官に連れられ、交番に向かう様子を目撃した。「門の内側で倒れている人が見えた。救急車で運ばれていったが、全然動かなかった」と心配そうに語った。

 受験生の子どもを見送るため、東京大の試験会場に付き添った父親(60)は「東大前駅も焦げ臭かった。同時多発的に何かが起きたのだろうか。とにかく、子どものことが心配でならない」と話した。

 東京大の会場で受験する男子高校生は「何でそんなことが起きてしまったのか。この日のためにずっと勉強してきたのに、受験生が刺されるなんていう想像もしていない目に遭ってしまうなんて」と困惑していた。

 近くに住む会社役員、栗田光江さん(62)は、鳴りやまないサイレンが気になり家の外に様子を見に出たという。「治安の良い地域なので、こんなことは初めて。受験生はこの日のために勉強してきたのに、本当にかわいそうだ」と話した。【田中理知、井口慎太郎】

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