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滝野隆浩の掃苔記

社会部・滝野隆浩専門編集委員のコラム。

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「絶縁家族」の弔いは

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「絶縁家族 終焉のとき」はライター、橘さつきさんが書いた初めての本だ
「絶縁家族 終焉のとき」はライター、橘さつきさんが書いた初めての本だ

 <滝野隆浩の掃苔記(そうたいき)>

 葬儀は何のためにやるのだろう。橘さつきさん(60)のノンフィクション「絶縁家族 終焉(しゅうえん)のとき ―試される『家族』の絆」を読みながら考えていた。

 家族の内実は外からはうかがいしれない。しあわせそうに見えても、裕福であっても、実は憎しみ合ったり、関係が切れていたりする。そうした「絶縁家族」で誰か1人が亡くなったとき、葬儀はどんなふうに行われるのか。

 がんで余命宣告を受けた44歳の独身女性は、死後、イギリスで散骨してほしいと行政書士に依頼した。「すべてが終わるまで、誰にも知らせないで」と。不仲だった妹から突然、「あのね、パパが死んだの」と連絡を受けた38歳の女性は、葬儀の日程を聞こうとして遮られた。「ママが来なくていいって。家の恥だから」……。本には八つの悲しい実話がつづられている。

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