「あなたの分まで生きる」犠牲の院長に患者ら誓う 大阪ビル放火
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大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで男女25人が犠牲になった放火殺人事件は、17日で発生から1カ月が過ぎた。犠牲になった院長の西沢弘太郎さん(当時49歳)は、心身の不調に悩む多くの患者を復職に導いていた。「先生のようになりたい」「次は自分が誰かを助ける番」。支えられた人たちは悲しみを乗り越え、新しい一歩を踏み出そうとしている。
「病気から立ち直った姿を示すことが、先生への恩返しになる」。事件現場にほど近いカフェで、会社員の男性(41)=大阪市西淀川区=はこう語った。休日や仕事の後、この場所で資格試験の勉強を重ねている。
パチンコ店の店長を務めていた2年半前、出社したのに体が動かず、車から出られなくなった。店舗の業績や人間関係など、さまざまなストレスが積み重なり、うつ病になっていた。
休職し、「一生働けなくなるんじゃないか」と不安が募ったが、西沢さんは「病気になったのは仕方ないから、焦らずにゆっくり治しましょう」と落ち着かせてくれた。復職に向けた「リワークプログラム」に参加し、回復までの道筋が鮮明になったという。
初診から4カ月がたち、男性は復職しようと決めた。西沢さんは当初…
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