預金ゼロ、親の遺骨盗む?…浮かぶ生活実態 大阪ビル放火容疑者
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大阪市北区の雑居ビルに入るクリニックで男女25人が犠牲になった放火殺人事件で、死亡した谷本盛雄容疑者(当時61歳)の詳しい生活状況が大阪府警への取材で明らかになった。銀行口座は2年前から底をつきかけ、1年前にはゼロになっていた。スマートフォンの電話帳は一人も登録されていなかったことも判明した。府警は谷本容疑者が人生に絶望し、大勢の人を巻き込んで無理心中を図ったとの見方を強めている。
「服役後は周囲との交流が極端に少なく、今も全ての生活実態を把握できているわけではない」。ある捜査幹部はこう話す。
谷本容疑者は25歳だった1985年に結婚し、2人の子宝に恵まれた。板金工として働いていた勤務先からは確かな技術ときちょうめんな性格を高く評価された時期もあったが、2008年の離婚を機に人生が暗転する。この時48歳。無断欠勤で職も失い、競馬にのめり込んで生活は荒れた。
元妻に復縁の申し出を断られ、将来を悲観した末に起こしたのが11年の長男に対する殺人未遂事件だ。懲役4年の実刑判決。服役後は堺市内の更生保護施設に入った。預金はこの頃約150万円。17年2月には、父親から相続した大阪市此花区の住宅に移り住む。心療内科の「西梅田こころとからだのクリニック」に通い始めたのはこの1カ月後だった。
1年前、口座残高83円→ゼロ
定職に就かず、預金を食い潰す日々。唯一の生命線は「家賃収入」…
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