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理の眼

ジャーナリストの青木理さんのコラム。権力を監視する眼が光ります。大阪本社版夕刊連載。火曜日更新。

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己の卑しさ、白日の下に=青木理

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ジャーナリストの青木理さん=根岸基弘撮影
ジャーナリストの青木理さん=根岸基弘撮影

 デモや集会に参加すれば金銭がもらえるとか、参加している人びとは金銭で動員されているとか、各種の一般的な市民運動でそのようなことがありえないのは、はっきり言って社会常識の範疇(はんちゅう)に属する事柄でしょう。ましてそれなりの取材経験を積んだメディア関係者ならなおのこと。

 なのに世の中にはそうは考えないし考えられない、要は常識の欠如した人びともいるようです。東京オリンピックの「公式記録映画」を製作中だという映画監督に密着した番組で、字幕に「不確かな内容」があったとNHKが謝罪した一件。問題の字幕は「五輪反対デモに参加しているという男性」が「お金をもらって動員されていると打ち明けた」というものでした。

 すぐに思い出すのは数年前に東京のテレビ局が放送した「ニュース女子」なる番組。沖縄で米軍基地建設に反対する人びとをあしざまに罵(ののし)り、嘲笑し、ろくな取材もしないまま彼ら彼女らに「日当」が支払われていると疑った番組は、裏づけ取材などが不十分で「重大な放送倫理違反があった」と放送倫理・番組向上機構(BPO)に厳しく指弾されました。

 なぜこれほど常識外のデマをメディアが繰り返し発信してしまうのか。…

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