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学術会議任命拒否

日本学術会議が推薦した新会員候補6人を菅首相が任命しなかった。極めて異例の事態の背景や問題点を追います。

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「切り離し」に異論挟まず 学術会議検討報告書 政府にボール

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日本学術会議の梶田隆章会長との会談後、報道陣の取材に応じる小林鷹之科学技術担当相=東京都千代田区で2022年1月21日午後6時17分、岩崎歩撮影
日本学術会議の梶田隆章会長との会談後、報道陣の取材に応じる小林鷹之科学技術担当相=東京都千代田区で2022年1月21日午後6時17分、岩崎歩撮影

 日本学術会議のあり方を検討してきた総合科学技術・イノベーション会議(CSTI)の有識者議員懇談会が報告書をまとめた。政府・自民党が有識者懇に期待したことが、学術会議を政府から切り離すためのお墨付きだったとすれば、報告書は現状に代わる特定の組織形態には踏み込まず、期待に応えなかったと言える。一方で「既存の組織を前提とせず検討を」と求め、切り離しに異論を挟まなかったとの見方もできる。政府にボールをそのまま投げ返した格好だ。

 有識者議員の一人は「学術会議とCSTIは車の両輪。今まで良かった学術会議との関係を毀損(きそん)したくない」と、組織形態で踏み込んだ表現をしなかった理由を明かす。任命拒否問題が尾を引く中、学術会議との表立った対立を避けたとみられる。

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【学術会議任命拒否】

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