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コロナ報道、どうですか? 重症患者受け入れる医師に聞く

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空席の目立つお好み焼き店の店内で、安倍晋三首相(当時)の記者会見をテレビ中継で見る男性従業員=東京都港区新橋で2020年4月7日午後7時5分、林田奈々撮影
空席の目立つお好み焼き店の店内で、安倍晋三首相(当時)の記者会見をテレビ中継で見る男性従業員=東京都港区新橋で2020年4月7日午後7時5分、林田奈々撮影

 新型コロナウイルスの感染が国内に広がり、およそ2年が経過した。医療の現場には、メディアの報道ぶりはどう映ったのか。重症のコロナ患者を受け入れる昭和大学病院(東京都品川区)院長で呼吸器疾患の専門家でもある相良博典さん(62)に聞いた。【聞き手・青島顕、李英浩】

 ――感染防止策についての報道をどう見ますか。

 ◆日本では、手指の消毒やマスク着用といった対策がよく守られています。国民性とともに、メディアが報道してくれた結果だと思います。ただ、メディアに「にわか専門家」のような人たちが登場して誤った情報を発信することもあった。飲食店のテーブルにアクリル板を置くことに対し、懐疑的な意見を述べる人もいましたが、飛沫(ひまつ)感染を防止する効果があるのは確かです。

 一部の自治体では、特定のうがい薬が、コロナに効き目があるかのような科学的根拠に基づかない情報発信がありました。正しいかどうかを検証し、エビデンス(科学的根拠)に基づいた情報を報じてほしいものです。

 ――2021年夏に感染拡大の「第5波」が来たときの報道については?

 ◆我々はとても混乱していました。ワクチン接種がある程度進み、高齢者や基礎疾患を持つ人の感染や重症化も一定程度抑えられた。だが、50代以下や肥満の人を中心に重症者が増え病床が不足しました。「ワクチンを打ったら大丈夫だ」という誤ったメッセージを伝えるメディアもあった。

 ――「病床に空きがあるのにコロナ患者が入院できない」といった批判も一部で広がっていました。

 ◆空床が出た理由について、きちんとした報道が足りなかったと思います。一つの病院で1日に何人もの患者さんを受け入れるのは不可能です。コロナ患者の方を1人入院させるためには複数のスタッフをつけなければならない。退院する人が出ても、ベッドを空けて次の患者さんを受け入れる準備は時間がかかる。

 しかも、当時は入院期間が長くなる高齢の患者さんが少なく、入退院の回転が速くてスタッフは忙しくなりました。それでも…

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