絵師・絵金派の芝居絵屏風、「何十回も練習」で想定復元 高知

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想定復元された屏風絵と、中心的役割を担った高知大の野角孝一講師=香南市野市町大谷のアクトランドで、2022年1月21日午後1時15分、小林理撮影
想定復元された屏風絵と、中心的役割を担った高知大の野角孝一講師=香南市野市町大谷のアクトランドで、2022年1月21日午後1時15分、小林理撮影

 ぼろぼろの状態で見つかり、廃棄寸前だった絵金派の芝居絵屏風(びょうぶ)が、各方面の専門家の尽力で色鮮やかに想定復元された。アクトランド(高知県香南市)の絵金派アートギャラリーで展示されている。

 復元に中心的に携わった高知大学教育学部(日本画専攻)の野角孝一講師(40)によると、2011年から県内にある芝居絵屏風を調べていたところ、15年に香南市香我美地区にある峯八王子宮で、まったく知られていない芝居絵屏風(縦1・55メートル、横1・77メートル)を発見した。損傷が激しく、絵全体の7割が欠けている状況だった。画風などから、絵金(絵師金蔵、1812~76年)の弟子筋、絵金派の手になる作品であることが判明した。

 2016年、宮の氏子から絵を処分したいとの相談があり、高知大で絵を収蔵。野角さんらは、「損傷した絵を次世代に伝えるモデルになる」と考え、欠けた部分も含めて絵全体を想定復元することを決め、各方面の専門家の協力を仰いだ。

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