高まる賃上げ期待 コロナで経営側マインドは急速低下 春闘スタート

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第125回経団連労使フォーラムであいさつする経団連の十倉雅和会長=東京都千代田区で2022年1月25日午前10時半、長谷川直亮撮影
第125回経団連労使フォーラムであいさつする経団連の十倉雅和会長=東京都千代田区で2022年1月25日午前10時半、長谷川直亮撮影

 主要企業の労使の代表者らが意見を交わす経団連の労使フォーラムが25日、東京都内で開かれ、2022年春闘が事実上始まった。長引く新型コロナウイルス禍が企業業績に影を落とし、春闘の意義さえも問われる中、賃上げや柔軟な働き方など山積する課題に労使はどこまで踏み込めるのか。

試される春闘への対応

 「収益、成果を働き手に適切に分配すべく、企業の責務として賃金引き上げと総合的な処遇改善に取り組むことが非常に重要だ」。労使フォーラムの冒頭、経団連の十倉雅和会長は例年以上に注目が集まる賃上げに前向きな姿勢を示した。

 21年10月に就任した岸田文雄首相は賃上げへの期待を繰り返し述べている。呼応するように経団連は、春闘交渉の指針となる経営労働政策特別委員会報告(経労委報告)に「新しい資本主義の起動にふさわしい賃金引き上げが望まれる」と明記。岸田政権の看板政策に触れ、配慮を示した。基本給を底上げするベースアップ(ベア)に関する表現は「選択肢」とした前年よりも踏み込み、業績が好調な企業には積極的な賃上げを促した。

 こうした変化の背景には、コロナ禍からの海外経済の回復を受け、業績の復調が多くの企業で進んでいる現状がある。その一方で、対面ビジネスを中心にコロナ禍の悪影響は続いており、経労委報告には、業績が振るわない企業は「事業継続と雇用維持が最優先」と記して、各社の実情に合わせた対応を求めている。

 ただ、新型コロナの変異株「オミクロン株」が猛威を振るう中、先行きの不透明感が高まって経営側のマインドは急速に低下している。財務省が1月の経済情勢報告に合わせて実施した調査では、…

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