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コロナ禍のススキノで苦闘する保育園 シングルマザー園長の覚悟

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ススキノの保育園「なな園」で「シングルマザーが頼れる場所にしたい」と語る園長の伊藤さと美さん=札幌市中央区で2022年1月21日午後4時38分、谷口拓未撮影
ススキノの保育園「なな園」で「シングルマザーが頼れる場所にしたい」と語る園長の伊藤さと美さん=札幌市中央区で2022年1月21日午後4時38分、谷口拓未撮影

 新型コロナウイルスの感染者が北海道内で初めて確認されてから28日で2年。長引くコロナ禍で苦境が続く札幌市の歓楽街・ススキノの一角に建つ雑居ビルに、小学生までを対象にした認可外保育園「なな園」(中央区)が昨年11月、開園した。園長の伊藤さと美さん(40)はある覚悟を胸に、運営を続けている。

 「ススキノは急激に客足が遠のいているそうだ。近くの人気飲食店はいつも満席だけれど、今日は空席が目立っていた」。感染急拡大を受けて道が「まん延防止等重点措置」の適用を政府に要請した21日、伊藤さんはため息交じりに園の窓からススキノの街に目をやった。

 シングルマザーとして長女(21)を育てながら、かつてはススキノでホステスを務め、現在は近くでおばんざい屋も経営する伊藤さん。感染状況が落ち着いていた昨年11月に開いたなな園は、自身の経験を踏まえて生み出した社会貢献の一つだ。

 20代で離婚し、小学校低学年だった長女を自宅に一人残し、ススキノで働いた。親は遠方に暮らし、頼る先がなく、生活の糧を得るためにやむを得なかった。仕事の合間を縫って自宅の長女に頻繁に電話したが、罪悪感にさいなまれ、母子ともに心身に負担がかかった。

 その記憶を念頭に、…

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