毎日希望奨学金チャリティーコンサート

宝塚OGによる「毎日希望奨学金」チャリティーコンサート 3月10日、東京・渋谷

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 <宝塚OG毎日希望奨学金チャリティーコンサート 忘れない~未来への手紙~>

未来へつなぐ、祈りの歌 3月10日、渋谷・Bunkamuraオーチャードホール

 宝塚OGによる東日本大震災チャリティーコンサート「忘れない~未来への手紙~」を3月10日、東京・渋谷区のBunkamuraオーチャードホールで開催する。5回目となる今回は、被災から10年の節目を超え、被災者らが悲しみを乗り越え成長してきた過程の記事をショートストーリーにして朗読。つらく厳しい現実の中で大きな一歩を踏み出して前に進む姿を紹介し、後半は歌とともに被災地を支援する。趣旨に賛同した杜けあきさん、姿月あさとさん、北翔海莉さん、月影瞳さん、悠未ひろさんの5人が出演。本特集では杜さん、姿月さん、北翔さんが、亡くなられた方への追悼とともに未来へと続く希望のメッセージを語ってくれた。【鈴木隆】

被災者の10年の歩み、思い込め

 東日本大震災で保護者を亡くした震災遺児の学業継続を応援する「毎日希望奨学金」への協力を願い、宝塚OGが毎年続けているコンサート。今回のコンサートは、毎日新聞に掲載された被災者たちの10年の歩み、未来へとつながる思いを、彼らの写真とともに映し出す。これまでと同様に、岩手県陸前高田市にある「漂流ポスト」に届いた、亡くなった方への手紙も朗読。将来への夢と望みを託した楽曲、宝塚OGならではのエンターテインメント性あふれる名曲も披露し、被災地や被災者への思いと祈りをつないでいく。俳優の川久保拓司さんがナレーションで参加。ライブ配信も実施する。

 「震災を経験した子供たちがたくましく育ち、それを無駄にしないという強い意志を感じた。後世に伝え、地元のために努力していく、という頼もしさに目頭が熱くなった」と、コンサートで取り上げる記事を読んだ杜さんが口火を切った。「つらくすさまじい経験をした子供たちの成長が伝わってきて、被災地出身の一人として、東北の未来を信じられた」と成長の歩みを紹介できるうれしさをかみしめた。

 2018年の第1回から続けてこの舞台に立っている北翔さんは「今も大変な方はいらっしゃるが、1年ごとに少しずつ現実を受け入れていく気持ちを、記事や手紙から感じた。記事になったことで、それぞれのリアルな人生が伝わってくる。10年が過ぎて、多様な試練を乗り越えてきた姿に、私たちが励まされている」と感慨深げに話した。

 第2回以来の出演になる姿月さんは「私たちは宝塚という『夢の世界』のステージを作ってきた。新型コロナウイルス禍で傷ついている方々も含め、言葉や歌の力を信じて、前に向かっていきましょうというコンサートにしたい」と公演にかける思いを語ってくれた。

 北翔さんはこのコンサートで、自身を「メッセンジャー」と呼んできた。被災者と観客を互いに結ぶ役割という自覚を、回を重ねるたびに深めてきた。「手紙や記事、歌う内容も、今はコロナや地震、大雨などの災害をともに乗り越えていこうという形に広がりを持ち始めている。3・11を『忘れない』というコンサートだが、阪神大震災、熊本地震、大雨による被害など、全ての災害への思いをこの作品にぶつけたい」と意欲を示す。コロナという、震災とは別の大きな壁で身動きがとれない時代に「乗り越えられない試練はない。東日本大震災から10年が過ぎて、東北の人たちが人生に立ち向かう姿に励まされ、大きな勇気をもらっている」と、メッセンジャーとして舞台に立つ覚悟だ。

 姿月さんは、阪神大震災を体感として覚えている。「今も全ての人が現実を受け入れているわけではない。でも、次に向かっていかないと始まらない。今は何もかもがスピーディーな時代だが、ゆっくり伝えることや、節電や節水などのインフラのこと、みんなで助け合うこと。経験したからこそ学んだことも忘れてはいけない。私も皆さんと同じように前に進んで生きたい」と話した。

 杜さんはコンサートの意味を多面的に捉えている。「年齢と経験を重ねてきて、若さが併せ持つパワーを実感している。奨学金で若者をサポートする意味、若者たちが学ぶことのなんとすばらしいことか。東日本大震災の経験を、コロナ禍、災害の中でも無駄にしてほしくない」と常々思ってきた。復興の意味と心の復興の難しさ、自然の美しさを守ることなど、震災を教育の場できちんと伝えること。いくつもの「忘れない」や課題、希望が言葉からはじけ出る。「1年に1回だけ思い出す日になったら嫌ですよね」

 杜さんは今回も5人のOGのまとめ役。「5人とも情熱をかけて懸命に舞台に立ってきた。情熱がいかに人を輝かせるか、東北の人たちも、私たちも同じです。私たちの情熱が少しでも、未来に向かって進む人たちの役に立てたらうれしい」


チケット発売中

 日時

2022年3月10日(木)午後6時半開演(同5時半開場)

 会場

Bunkamuraオーチャードホール(東京都渋谷区道玄坂2の24の1)

 出演

杜けあき、姿月あさと、北翔海莉、月影瞳、悠未ひろ、川久保拓司(ナレーション)

 チケット

8500円(税込、全席指定、未就学児入場不可)

チケットポート(03・6327・3710、平日午前10時~午後6時)

チケットぴあ(https://t.pia.jp/、Pコード205-759)

ローソンチケット(https://l-tike.com/、Lコード34402)

イープラス(https://eplus.jp)

Bunkamuraチケットセンター(03・3477・9999、午前10時~午後5時)

ライブ配信チケット

4000円(税込)

イープラス(https://eplus.jp/wasurenai-2022-st/)

販売期間は1月28日(金)~3月16日(水)午後9時(アーカイブ視聴終了は3月16日(水)午後11時59分)

 公演に関するお問い合わせ

毎日新聞社事業本部(03・3212・0804、平日午前10時~午後6時)

チケットに関するお問い合わせ

チケットポート(03・6327・3710、平日午前10時~午後6時)

主催 毎日新聞社

後援 スポーツニッポン新聞社

協賛 アクティオ、グリー

構成 カニリカ

演出 三枝孝臣

制作 ミックスゾーン

協力 オフィスウォーカー、キョードーファクトリー、北翔海莉事務所、モーリス(50音順)

公式ホームページ https://www.mainichi.co.jp/event/culture/wasurenai/


毎日希望奨学金

 毎日新聞社と毎日新聞社会事業団は、2011年3月11日に発生した東日本大震災に対し、この震災で保護者を亡くした「震災遺児」を支援する「毎日希望奨学金」制度を設けています。

 郵便振替 毎日新聞東京社会事業団(00120・0・76498)。「奨学金」と明記してください。

 現金書留 〒100-8051 東京都千代田区一ツ橋1の1の1、毎日新聞東京社会事業団「奨学金」係。 

 銀行振り込み 三菱UFJ銀行東京営業部(普通0422292)。口座名は毎日新聞東京社会事業団希望奨学金。振込手数料は金融機関でご確認ください。※銀行振り込みの場合、領収書や紙面掲載をご希望の方は、その旨を明記して住所、氏名、電話番号を書き、振込用紙の写しを添えて郵送かファクス(03・3213・6744)で東京社会事業団へお送りください。匿名希望の方は明記してください。問い合わせは同事業団(03・3213・2674)。


 ■人物略歴

杜けあき(もり・けあき)さん

 1979年宝塚歌劇団入団。88年雪組トップスターに就任し、「ベルサイユのばら」「華麗なるギャツビー」などに主演。退団公演となった「忠臣蔵」大石内蔵助役にて、現役生で初の菊田一夫演劇賞を受賞。93年退団後は舞台を中心に活躍し「出雲の阿国」「風と共に去りぬ」「エリザベート」など多数の作品に出演。宮城赤い羽根特使、みやぎ絆大使、おおさき宝大使も務め、ボランティア活動にも意欲的に取り組んでいる。


 ■人物略歴

姿月あさと(しづき・あさと)さん

 元宝塚歌劇団宙組初代トップスター。2000年に退団後、コンサートや舞台、テレビ、CMの出演など活動は多岐にわたる。クラシック、シャンソン、タンゴ、歌謡曲などジャンルにとらわれない全方位型の表現を続けている。石井竜也氏や秋元康氏、島津亜矢氏、坂東玉三郎氏らとの多彩なコラボも好評。毎年、数種類のセルフプロデュース公演の他、タンゴやシャンソンなどのコンサートに出演。22年は芸能活動35周年。


 ■人物略歴

北翔海莉(ほくしょう・かいり)さん

 1998年に84期生として宝塚歌劇団に入団。2015年5月星組トップスターに就任。16年「桜華に舞え/ロマンス!!」をもって退団。18年に芸能生活20周年を迎え、記念コンサートを開催。ブロードウェーミュージカル「パジャマゲーム」「ふたり阿国」「海の上のピアニスト」、藤間勘十郎文芸シリーズなどで主演を務め、現代能「マリー・アントワネット」出演の他、数々のコンサートやディナーショーで活躍中。


 ■人物略歴

月影瞳(つきかげ・ひとみ)さん

 1997年星組トップ娘役に。その後、雪組に組替えし引き続きトップ娘役として活躍。2002年「愛燃える/Rose Garden」で退団。退団後は舞台を中心に多方面で活躍。舞台「るろうに剣心」「母の法廷」では、個性的な役を演じ注目を集めた。佐々部清監督の映像作品に多数出演。21年「寺田瀧雄メモリアルコンサート」と越路吹雪40回忌コンサート「Apres Toi~アプレ・トワ」出演。長野県上田市観光大使。


 ■人物略歴

悠未ひろ(ゆうみ・ひろ)さん

 1997年宝塚歌劇団に入団。宙組の男役スターとして「逆転裁判3」など数々の舞台で17年間活躍。2013年「風と共に去りぬ」で退団した後は「MOON SAGA―義経秘伝―第二章」「NARUTO」大蛇丸役、「花園」「囚われのパルマ」などの芝居やミュージカルなど舞台に出演。長身を生かしたダイナミックなパフォーマンスとのびやかな歌唱で、舞台、コンサート、ライブなど幅広く活躍中。東京都出身。


 ■人物略歴

川久保拓司(かわくぼ・たくじ)さん

 1981年12月生まれ、東京都出身。「ウルトラマンネクサス」(2004年)で主演を務め、注目を集める。以降、テレビ、舞台を中心に幅広く活動中。近年の主な出演作品に、ドラマ「昭和元禄落語心中」や映画「俺はまだ本気出してないだけ」、舞台「ピアフ」「ボーイズ・イン・ザ・バンド~真夜中のパーティー~」「照くん、カミってる!~宇曾月家の一族殺人事件~」「コムサdeマンボ!」など。

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