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パソコンやスマートフォンでウェブの閲覧や検索、買い物などのサービスを利用する際の個人情報。私たちの知らないうちに外部の広告会社などに提供されているのはご存じだろうか。総務省の有識者会議は、これらの利用者情報の保護を強化するための法改正案をとりまとめたが、その中身は当初の議論から後退し、「骨抜き」になったという。その背景には経済界の猛反発とロビー活動があった。
有識者会議メンバーから失望の声
改正が議論されたのは電気通信事業法。1月14日にオンラインで開かれた有識者会議で国会に提出する改正案が了承されたが、学者や弁護士などのメンバーからは失望の声が相次いだ。「最終局面で事業者団体からの強い反対があり、当初の想定よりも大幅に後退する案になったことは大変残念だ」「消費者団体の声があまり反映されずとても残念だ」。周到な根回しを経て合意を練り上げていく省庁の有識者会議で、最終段階に至ってこのような発言が飛び出すのは異例だ。
法改正の焦点となったのが、利用者情報の外部への送信だ。インターネットでウェブを閲覧したり検索したりする際、利用者の知らないうちにその履歴や位置情報などが外部の広告会社などに送信されている。情報の活用例として、利用者の好みや関心に合わせて広告を提供するのが「ターゲティング広告」だ。一度検索したワードの関連広告が、ウェブ閲覧の際に頻繁に表示されるようになった経験を持つ人は多いはずだ。
米グーグルやメタ(旧フェイスブック)などに代表される「プラットフォーマー」と呼ばれる…
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