「医者になるため東大理3に行くのは損」 出身の精神科医の真意

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精神科医の和田秀樹医師=東京都文京区で2020年11月20日、内藤絵美撮影
精神科医の和田秀樹医師=東京都文京区で2020年11月20日、内藤絵美撮影

 大学入学共通テストの試験会場だった東京大(東京都文京区)で今月、受験生の高校生ら3人を刺したとして、私立高校2年の少年(17)=名古屋市=が殺人未遂容疑で逮捕された。愛知県有数の進学校に通っていた少年は、東京大医学部に進学できる「理科3類(理3)」を熱望していたというが、受験関連の著書が多数ある、東大理3出身で精神科医の和田秀樹さんは「医者になるため理3に行くのは損だ」と主張する。どういうことなのか。【聞き手・林奈緒美】

東大理3という「勲章」

 ――少年は事件を起こした背景に関連して「今の成績では理3合格は難しい」と供述していたといいます。少年が目指した東大理3とはどういうところなのでしょうか。

 ◆東大理3は偏差値のトップに位置し、あらゆる大学、学部の中で最も入るのが難しい。特に進学校では、そこに合格することはある種の「勲章」のように考えられており、理3を目指して入れないことは「負け」と感じます。私自身、神戸市にある母校の私立灘高校にいた時は「医学部に行くなら、東大理3しかない」と思い込んでいました。医師を志していただけなら他にも医学部はあるわけで、少年も、私もブランド志向があったのでしょう。

 ただ、私が関わっている受験産業でも、生徒を東大理3に合格させることが高く評価されています。日本の受験生が偏差値だけを指標に志望校を決めるという考え方を助長させるような社会にも問題があります。

理3卒は「損」「医者は安泰」は幻想

 ――理3出身の医師となり、考え方が変わったことはありますか。

 ◆医学部に限ってみると、東大出身で損だと感じることは多いです。東大医学部に対する「幻想」は捨てた方がいいでしょう。理3が頂点と思っている人たちが多いので、…

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