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オミクロン株に新タイプ出現 ウイルス研究者に聞く今後の動向

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マスク姿で渋谷のスクランブル交差点を行き交う人たち=東京都渋谷区で2022年1月12日午後5時46分、長谷川直亮撮影
マスク姿で渋谷のスクランブル交差点を行き交う人たち=東京都渋谷区で2022年1月12日午後5時46分、長谷川直亮撮影

 新型コロナウイルスの変異株「オミクロン株」の感染拡大が続く。海外では、オミクロンの一種で、現在主流の系統とは異なる「BA・2」と呼ばれる新たなタイプへの置き換わりが進んでいる国もある。今後の感染動向はどうなっていくのか。コロナウイルスの解明に取り組む国内の研究グループ「G2P―Japan」を主宰する佐藤佳・東京大医科学研究所准教授(ウイルス学)に聞いた。【岩崎歩 科学環境部】

ヒトへの感染しやすさに特化

 ――まず、オミクロン株について現時点で分かっていることを教えてください。

 デルタ株や従来株と比べて感染力が高い一方、重症化リスクは低い傾向があると考えられます。ウイルスはヒトの細胞を使って増殖しますが、ランダムにコピーミス(変異)を起こします。その多くはウイルスの性質を変えてしまうような変異ではありませんが、ヒトの体内で増えやすかったり、免疫を逃れやすかったりと、ウイルスにとって都合の良い変異を獲得すると、それまでの株に置き換わっていきます。オミクロンの場合は、生き残るための戦略がこれまでとは異なり、より「ヒトからヒトへの感染しやすさ」に特化して進化したと言えるでしょう。

 ――なぜオミクロン株は重症化しにくいと考えられるのでしょう。

 細胞実験や動物実験の結果から推察できます。私たちはハムスターをオミクロン株とデルタ株にそれぞれ感染させ、その特徴を調べました。どちらも1日目に気管支の上皮細胞(表面の細胞)に感染しましたが、デルタ株の場合は、3日目には肺の内部まで一気に広がったのに対し、オミクロン株は3日目も気管支の上皮細胞にとどまりました。

 感染した細胞が周囲の正常な細胞と融合する能力の違いが一因と考えられます。コロナウイルスは表面にある突起状の「スパイクたんぱく質」がヒトの細胞表面に結合して感染し、さらに他の細胞に融合することで体内に広がっていきます。ヒト由来の培養細胞を使った実験で、この融合しやすさを比較したところ、オミクロン株はデルタ株の約25分の1とかなり低いことが分かりました。

 つまり、オミクロン株はデルタ株に比べて重症化しにくい半面、気管支の上皮細胞に長くとどまる分、呼気からウイルスが排出されやすく、感染が広がりやすい可能性が考えられるわけです。

感染力2倍近く?別系統株「BA・2」

 ――オミクロン株の一種で、現在の主流系統とは異なるウイルスが国内でも検出されています。

 まず、オミクロン株はウイルスの遺伝子の違いで「BA・1」や「BA・2」などの系統に分かれます。これまで日本を含め世界に広がったのはBA・1です。しかし、デンマークなど一部の国でBA・2に置き換わり始めています。

 ――BA・2とはどのようなウイルスなのでしょうか。

 BA・1から派…

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