折れない翼広げ続ける 49歳・葛西紀明の夢「北京の次、その次も」

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HBC杯ジャンプ競技会で笑顔を見せる葛西紀明さん。「モチベーションを上げてきました」と語った=札幌市大倉山ジャンプ競技場で2022年1月10日、猪飼健史撮影
HBC杯ジャンプ競技会で笑顔を見せる葛西紀明さん。「モチベーションを上げてきました」と語った=札幌市大倉山ジャンプ競技場で2022年1月10日、猪飼健史撮影

 今、この場所にいることは、北京オリンピックへの道が断たれたことを意味する。札幌市大倉山ジャンプ競技場で1月10日に開かれたノルディックスキー・ジャンプのHBC杯。今年の国内初戦には、欧州遠征中の五輪代表メンバーの姿はなかった。

 その中で、ひときわ存在感を見せた選手がいた。49歳の葛西紀明さん(土屋ホーム)。北京五輪は代表落ちしたが、冬季五輪史上最多の8大会連続出場を誇るレジェンドだ。鮮やかな黄色のジャンプスーツに身を包んだ葛西さんは空に飛び出すと、風をつかんだ。最後にスーッと伸びる飛行曲線に、感染症対策の一環で声を出す応援が禁止されている会場から「おおっ」とどよめきが起きた。これ以上飛ぶと危険とされるヒルサイズの137メートルに迫る130メートル台を2本そろえ、4位に入った。

 「ここにきて、ようやくいいジャンプができた。(最近は)ダサダサな成績だったので、気合を入れ直しての新年の一発目だった。本当は表彰台に乗りたかったけど、久しぶりに上位に食い込めてうれしいです」

 今冬の欧州遠征メンバーから外れ、昨秋の時点で事実上、北京五輪の可能性は消滅していた。それでも「やめる気は毛頭ない」と言い切り、北京の4年後、さらには8年後の五輪も目指すと宣言した。

 年が明け、海外で実施されていた選考対象大会が全て終わり、1月8日に発表された五輪代表選手に、葛西さんの名前はなかった。改めて落選の事実を突き付けられた直後の大会だったが、飛び出したのは前向きな「葛西節」だった。

 「葛西…

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