ヤングケアラー相談窓口 先行自治体の取り組みから浮かぶ課題
- ツイート
- みんなのツイートを見る
- シェア
- ブックマーク
- 保存
- メール
- リンク
- 印刷

家族の介護や世話を担う子ども「ヤングケアラー」への支援の一環として、自治体などが相談窓口を次々と開設している。ただし、ケア負担が大きくても子どもたちは、「当たり前」と思っていたり、家族の問題を口外するのを「恥」と考えたりする場合があり、国や自治体の調査でも、子どもがSOSを出す難しさが指摘されてきた。果たして子どもは大人を頼るのか――。相談窓口の先行事例から、支援の課題を探った。【デジタル報道センター/山田奈緒】
窓口利用の多くは学校など「関係機関」
「小学生が要介護の祖母と障害のあるきょうだいを世話しているようだ」。この情報を神戸市の相談窓口に寄せたのは医療機関の医師だった。相談をきっかけに、一人親の母が早朝から働き、祖母の介助やきょうだいの服薬管理などを担う小学生は不登校の傾向がある家庭事情が分かった。相談窓口が中心になって、学校や区役所、福祉事業所の担当者らが集まる会議を開催。見守りや支援体制を整え、小学生は保健室登校ができるようになったという。
神戸市は2021年6月、「こども・若者ケアラー相談・支援窓口」を市立総合福祉センターに設けた。専用窓口の設置は、全国の自治体で初めてだった。対象は、一般的なヤングケアラーの定義である18歳未満に限らず、20代の「若者ケアラー」も含む。設置の背景には、19年10月に市内で起きた20代女性による介護殺人があった。
…
この記事は有料記事です。
残り2165文字(全文2753文字)
時系列で見る
-
中学生9.2%、家族の世話 ヤングケアラー 遅刻欠席多い傾向 大阪市調査 /大阪
116日前 -
「ヤングケアラー」中学生9.2%該当 大阪市調査、遅刻多い傾向
117日前 -
ヤングケアラー「聞いたことない」77.5% 熊本県「潜在的な該当者も」
118日前 -
「ヤングケアラー」県が実態調査 「該当する」中高生1.2% 「聞いたことはない」77.5% /熊本
118日前 -
毎日新聞「ヤングケアラー」報道 メディア・アンビシャス特別賞
121日前 -
ヤングケアラー 京都市5.4% 中学生を調査 「1日7時間超」2.7% /京都
125日前 -
国民民主、ヤングケアラー支援へ 児童福祉法改正案を参院に提出
144日前 -
信頼できる大人、支えに 厚労省「ヤングケアラーシンポ」 家族介護の思い語る /東京
151日前 -
ヤングケアラーの高校生を支援 大阪府教委、専門員新設へ
153日前スクープ -
ヤングケアラー相談窓口 先行自治体の取り組みから浮かぶ課題
153日前深掘り -
「信じられる大人がいるだけで救われる」 ヤングケアラー啓発シンポ
154日前 -
「なぜ施設に入れなかった?」 15歳から母を介護、理解されず孤立
156日前 -
「あなたの経験も無駄じゃない」 宮崎成悟さんメッセージ
156日前 -
ヤングケアラーに理解を 厚労省が30日ネットシンポ 武井壮さんら参加 /茨城
159日前 -
厚労省がヤングケアラー啓発シンポ 30日、元体験者が語る
161日前 -
ヤングケアラー支援 県、小中高の実態調査へ 那須・那須塩原、条例化や相談対応 /栃木
161日前 -
ヤングケアラー、早期見守りを 大阪歯科大教授が講演 岐阜 /岐阜
169日前 -
県内にもヤングケアラー 県が学校と連携し支援へ アンケート 孤立浮き彫りに /鳥取
177日前 -
孤立させない社会作る ヤングケアラー元当事者が語る 母への罪悪感…介護の道へ /長野
180日前