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豪雨で不通の肥薩線、河川整備費で復旧検討 JR九州は再開慎重

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2020年の九州豪雨で被災し一部区間で運休が続くJR肥薩線=熊本県球磨村で2021年12月18日午後0時52分、吉川雄策撮影
2020年の九州豪雨で被災し一部区間で運休が続くJR肥薩線=熊本県球磨村で2021年12月18日午後0時52分、吉川雄策撮影

 2020年7月の九州豪雨で甚大な被害を受けたJR肥薩線について、国や熊本県が河川や道路と一体での復旧を検討していることが関係者への取材で明らかになった。数百億円に上るとみられる復旧費用の一定部分を公共工事で賄うことでJR九州の負担を圧縮し、被災路線の存続につなげたい考えだ。同社は3月末までに復旧費用を公表して県などと存廃も含めた議論を始めたい考えだが、被災前から赤字だった肥薩線の運転再開には慎重で、対応が注目される。

 肥薩線は氾濫した球磨川に架かる2本の鉄橋が流失するなど約450カ所が被災し、全体の7割に当たる八代(熊本県八代市)―吉松(鹿児島県湧水(ゆうすい)町)間の86・8キロで不通が続く。関係者によると、将来の被災リスクを下げるには、橋の架け替えだけでなく線路のかさ上げやトンネルの掘り直しなども必要になり、費用は400億円前後にまで膨らむ可能性がある。

 このためJR九州は単独での復旧を事実上断念。国と地方自治体が復旧費を4分の1ずつ負担し、鉄道事業者の負担が2分の1になる改正鉄道軌道整備法の補助制度もあるが、仮に復旧費用を400億円とすると、同法が適用されてもJR九州の負担は200億円になる。

 そこで国と県は、…

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