爆弾低気圧、なぜ冬場に急増? 突風や高潮招く「冬の嵐」

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強風の影響で路上に散らばった屋根の破片を撤去する消防隊員ら=仙台市宮城野区で2012年4月3日午後8時38分、小川昌宏撮影
強風の影響で路上に散らばった屋根の破片を撤去する消防隊員ら=仙台市宮城野区で2012年4月3日午後8時38分、小川昌宏撮影

 冬場に日本付近で急速に発達する「爆弾低気圧」。東日本や北日本を中心に局所的な豪雪や突風、高潮などを引き起こし、各地で被害をもたらしている。さらに、近年は発生頻度も増えているという。なぜ日本付近で発生が多いのか。メカニズムや最近の状況を探った。【鳥井真平/科学環境部】

 爆弾低気圧は、最大風速で強さを決める台風と異なり、低気圧の発達速度を発生の判断指標としている。世界気象機関の定義では、中心気圧が24時間で24ヘクトパスカル以上低下した温帯低気圧が該当する。

 この呼び方は、海外の研究者が1980年に発表した学術論文で、短時間で発達する低気圧を「ボム(爆弾)」と表現したことがきっかけで広まった。この論文発表から、「ボム・サイクロン」などを和訳して爆弾低気圧という呼び方が専門家の間で使われるようになった。ただ、気象庁は爆弾低気圧という呼び方を正式な用語に採用せず、「急速に発達する低気圧」として気象情報を発表している。

 爆弾低気圧の発生には、高度10キロ付近の上空を流れる強い偏西風(ジェット気流)と、下層の気圧が関わっている。

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