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ミャンマークーデター

ミャンマー国軍がクーデターを起こし、アウンサンスーチー氏らを拘束。市民や国際社会からは抗議と批判が相次いでいます。

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外資系撤退、物価上昇… あふれる失業者 ミャンマー・クーデター1年

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昨年3月の火災で焼け焦げたままの中国系縫製工場=ヤンゴンのシュエピタ郡区で1月25日午後3時27分、高木香奈撮影
昨年3月の火災で焼け焦げたままの中国系縫製工場=ヤンゴンのシュエピタ郡区で1月25日午後3時27分、高木香奈撮影

 国軍がクーデターで全権を掌握して1年が過ぎたミャンマーで、政情不安と新型コロナウイルスの感染拡大が経済を直撃している。主要輸出産業である繊維関連の工場が相次いで閉鎖されるなどしており、元々弱い立場の低所得者層が、さらに厳しい生活を強いられている。

160万人が新たに失業

 最大都市ヤンゴンの北部にあるシュエピタ郡区。塀越しに焼け焦げた工場が見えた。元従業員らによると、約1200人が働いていた中国系の縫製工場で、日本のアパレルブランドの製品も受託生産していた。

 しかし、2021年2月1日のクーデター後に操業が止まり、3月に全焼した。原因は不明だが、当時、クーデターに反対するデモ隊の一部が、国軍と関係が近い中国の企業や工場を襲撃する事件が相次いでいた。

 工場で働いていたマタンダートゥンさん(25)と夫(26)は、クーデター直後に解雇された。今も再就職先は見つからず、貯金は減るばかり。「もう希望が持てない」と、タイに出稼ぎに行く準備をしている。

 国際労働機関(ILO)の発表によると、21年のミャンマーの労働者数は推定1890万人。前年に比べて160万人少なく、…

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【ミャンマークーデター】

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