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共通テストの「情報」 見切り発車の不安が残る

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 2025年の大学入学共通テストから「情報」が出題教科に加わる。一般選抜で国立大を目指す受験生は原則として全員が受けることになる。

 受験科目は、現在の5教科7科目から6教科8科目に増える。国立大学協会はデジタル社会の進展を踏まえ、この方針を決定した。

 しかし、学校現場には戸惑いが広がっている。受験生の負担が重くなることが懸念される上、高校における指導体制に地域間格差があるからだ。

 入試の公平性が確保できるのか、十分に検討する必要がある。

 首都圏などでは、情報を受け持つ教員全員が正式な免許を持っている。一方、地方では特例措置として、免許を持っていない教員に授業を担当させているケースも珍しくない。

 小規模な学校が多い自治体では、授業時間数の多い他教科の教員を優先的に採用する傾向がある。その場合、情報の授業については、専門外の教員による掛け持ちが増える。

 来年度からは、専門性の高い「情報Ⅰ」が高校の必修科目となり、文系、理系を問わず全員がプログラミングやデータの活用などを学ぶ。専門外の教員が指導するのは一層難しくなる。

 文部科学省は、各自治体に専門教員を計画的に採用するよう求めている。情報の免許を持ちながら他の教科を担当している教員を、人材がいない学校へ再配置するなどの工夫も促している。

 だが、共通テストへの導入まで3年しかない。見切り発車となる不安が拭えない。

 導入にあたって鍵を握るのは、国立大側の対応だ。

 合否の判定で情報の成績をどこまで重視するかは、各大学の裁量に委ねられている。学習状況など高校の実情を踏まえ、判断してほしい。

 大学入試改革は「入試が変われば現場の教育も改善されるはずだ」という考え方から進められてきた。しかし、英語民間試験や記述式問題は、現場の声を聞かずに共通テストへ導入しようとした結果、頓挫した。

 同じ失敗を繰り返さないためにも、入試のあり方を考える上では受験生への配慮が欠かせない。

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