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「最悪想定」甘すぎません? 「ミスター年金」長妻氏憂える コロナ対策、ワンボイスで

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インタビューに答える長妻昭氏=東京都千代田区で2022年1月28日、竹内紀臣撮影
インタビューに答える長妻昭氏=東京都千代田区で2022年1月28日、竹内紀臣撮影

 岸田文雄首相が「先手先手で」と対応を指示したのは昨年末のことだった。新型コロナウイルスの第6波到来は予期されていたはずだが、ワクチン追加接種回数も検査キットも足りないまま。厚生労働相時代を「伏魔殿の奥の院に入った」と表現したあの人なら事情も分かるのでは。立憲民主党の長妻昭衆院議員(61)である。

 「第5波後の『黄金の3カ月』の時に事態を楽観して準備を怠ってきたツケが回ったのです」。1月末時点の3回目のワクチン接種対象者は1470万人で同31日公表の接種回数は408万回。接種が進んでいないのではという私の疑問に対し、長妻さんは冷静なトーンを保ちつつ、言葉に怒りをにじませた。およそ15年前の「消えた年金」問題で厚労省などを国会内外で追及し、やがて「ミスター年金」と呼ばれるようになった長妻さんは、コロナを巡る厚労行政に憤まんやるかたない様子である。

 追加接種については、政府は従前より2回目接種完了から「原則8カ月後」としてきた。変異株「オミクロン株」の感染拡大懸念が高まり、欧米では早い段階で間隔を短縮する動きがあったが、岸田政権は腰が重かった。国内ではようやく昨年12月以降に、対象者や条件によって間隔を6カ月へ変更。前倒しに出遅れたのは「国への突き上げの懸念」が原因の一つ、と長妻さんは考える。

 厚労省がワクチンの在庫は3800万回分あると明らかにした昨年12月上旬、長妻さんは自治体のある首長から、こんな話を耳打ちされたという。「在庫があるので3回目を打っていいかと厚労省に聞くと『平等性を損なう』という返答だった。在庫が少ない自治体は打てずに不公平になるから、ワクチンが行き渡るまで待ってね、ということでした」

 第6波ではPCR検査キットの不足や、外来診療の逼迫(ひっぱく)などの影響が出ている。厚労省は1月、医師の判断で検査せずに診断できる方針を公表した。「変な話ですよね。政府が検査体制を拡充しなかったがために、いま検査できない。全国で1日当たり10万人近く新規感染している現段階だとそう対応せざるを得ないのは理解できなくはない。でもこれ、用意してこなかったツケでしょ。しれっと『こうしましょう』じゃなくて、政府はきちんと謝罪して検査キット確保など今後の対策を言った上で話さなければ」。言葉に熱がこもり、机をコンコンとたたく。

 そもそも岸田政権の「最悪の事態の想定」には疑問がある、と長妻さんは言う。オミクロン株は従来株より…

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