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公立学校の教員不足 柔軟な人材確保に知恵を

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 公立の小中高校などで、産休・育休や病気療養によって生じた欠員を埋められない「教員不足」が常態化している。

 文部科学省が初めて実施した全国調査によると、今年度当初時点で不足状態だったのは、全体の5・8%に当たる1897校に上った。総計で2558人が足りなかった。

 やむをえず校長や教頭ら管理職が学級担任を務めているケースがある。特定の教科を担当する教員が不在となり、授業が一時できなくなる弊害も出ている。

 現場に余裕がなくなり、子どもたちの学習にしわ寄せが及ぶことが懸念されている。早急に改善策を講じなければならない。

 背景には、1980年代に大量採用された教員の退職がある。世代交代で産休などを取る若い教員が増える中、代わりを務める臨時教員の採用が難しくなっている。

 候補となるのは主に、採用試験で不合格となった後も教員を志す人たちだ。だが、受験者全体が減って倍率が下がった結果、こうした人たちの層も細っている。

 10年に1回の講習を受けないと教員免許が失効する制度も障害になってきた。退職教員の現場復帰の道が狭められるからだ。

 この制度は来年度中に廃止される見通しだが、それだけでは十分でない。改めてこの機会に、幅広い人材を臨時教員として受け入れる柔軟な仕組みを構築すべきだ。身分が不安定な臨時教員の待遇改善も欠かせない。

 抜本的な問題解決には、教員志望者そのものを増やす取り組みが重要となる。

 受験者数が減っているのは、教員という仕事に魅力を感じられないからだとの指摘もある。

 授業以外の業務や保護者対応に追われる職場環境を改善しなければならない。長時間残業しても給与に反映されない現行制度の見直しも急がれる。

 一方で、専門的な知識を持つ社会人など、多様な人材を登用する制度をより積極的に活用する必要もある。

 教員不足の解消は、子どもたちの学びを維持する上で急務だ。国と自治体、学校が連携し、安定的に人材を確保できる環境の整備に知恵を絞ってほしい。

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