作る喜びを活力に ホテル、美容室… 広がる障害者アートレンタル
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障害者の芸術作品を企業や個人などに貸し出す障害者アートレンタルの取り組みが広がり、多くの人が行き来する場で作品を目にする機会が増えている。レンタル料の一部を制作者に支払うことで、障害者の創作意欲を高め自立につなげるのが狙いだ。
福岡県大野城市の藤原祥真(よしまさ)さん(44)が自宅リビングのテーブルに向かい、真剣な表情でアクリルペンを握る。キャンバスには熊本城の天守ややぐらが赤や黄、青など独特の色彩で色づけされ、城の下には竹灯籠(とうろう)がびっしりと描かれている。
障害者芸術活動を支援するNPO法人「コミュニケーション・アート」が主宰する教室に月1回通いながら自宅で制作に取り組む藤原さん。絵の構図や配色は直感で決め、何度も描き直しながら仕上げる。1枚の絵を仕上げるのに半年かかることもざらだ。自閉症を持つ藤原さんは、人とコミュニケーションを取ることが苦手だが、高い集中力とこだわりの強さという個性を生かした独特の画風が評価され、福岡県が2021年から取り組むア…
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