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「もっと危険なウイルスはある」 コロナで休園・休校は“過剰反応”

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森内浩幸・長崎大大学院教授=本人提供
森内浩幸・長崎大大学院教授=本人提供

 爆発的に拡大する新型コロナウイルス感染症の第6波で、保育園や小学校の休園・休校が増えている。子の預け先を失った親が出勤できず、病院や企業の業務に支障が出ている。「もっと危険なウイルスはあるのに、新型コロナにだけ過剰反応している」と指摘するのは、日本小児感染症学会理事長を務める森内浩幸・長崎大大学院教授。子どもの健康と成長を中心に考え、未就学児へのマスク着用の危険性を指摘し、感染症対策の合理的な見直しを提唱している。【聞き手・林奈緒美、原田啓之】

休園・休校の効果「極めて限定的」

 ――第6波では、新型コロナウイルスの新たな変異株である「オミクロン株」が流行し、感染した時の重症化リスクが低くなったと言われています。子どもについても同じように言えますか。

 ◆オミクロン株のデータが(他の研究者がチェックする)査読前論文で出ていて、(感染者が)入院する率は明らかに低くなっていると言われています。もともと子どもはほとんど軽症でしたが、オミクロン株ではさらに軽症で済むということで、だいたい間違いないと思います。

 ――休園する保育園が多いです。

 ◆休園の多くはどう考えても過剰反応です。RSウイルス(※注)は、毎年何十人も子どもたちが命を失い、集中治療室(ICU)に入って人工呼吸器につながれることも多い怖いウイルスですが、大流行しても休園する保育園はありません。また、インフルエンザでも多くの命が失われますが、保育園で広がってもめったに休園しません。

 しかし、新型コロナは感染者が1人いただけで、周りにも(体調不良などで)気になる子がいるからと休園しています。子どもたちの新型コロナによる健康被害は、かぜとそれほど違いません。医学的に必要ないのに休園している保育園があります。

 それは、子どものためではなく、大人に感染を広げないためですが、大人たちはステイホーム(外出自粛)をしていないので、他で感染してきます。休園・休校は、感染予防対策としての効果は極めて限定的です。そればかりか…

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【新型コロナウイルス】

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