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日韓外相が会談 地域安定へ対話の強化を

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 林芳正外相が韓国の鄭義溶(チョンウィヨン)外相と米ハワイで会談した。対面での外相会談は5カ月ぶりで、林氏の就任後は初めてだ。

 会談では、北朝鮮への対応を含め、地域の安定にとって日韓協力が重要であることを確認した。北朝鮮によるミサイル発射が相次ぐ中、安全保障分野で連携を強化するのは当然だ。

 関係悪化の原因となっている元徴用工、元慰安婦、半導体素材の輸出規制といった問題では、主張は平行線をたどった。日本が世界文化遺産に推薦した「佐渡(さど)島の金山」を巡っても、双方の立場は食い違ったままだ。

 一方で、健全な関係に戻すため、外交当局間の協議や意思疎通を活発化させることでは一致した。深刻な相互不信から抜け出すのに対話の強化が必要なことは論をまたない。有言実行を求めたい。

 ブリンケン米国務長官を交えて開かれた日米韓外相会談の共同声明は、北朝鮮の行動に懸念を示すと共に、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調した。ミャンマーやウクライナの情勢、気候変動や感染症対策など地球規模の課題も取り上げた。

 林氏は共同記者会見で、日米韓の連携が「地域の平和と安定にとって不可欠だ」と語った。鄭氏も「協力の範囲は広がり続けている」という認識を示した。

 しかし日韓関係の悪化が、米国を含めた3カ国の連携に水を差しているのが実情だ。

 米国は先週発表した「インド太平洋戦略」で、日本と韓国を名指しして関係改善を求めた。米国の東アジア戦略の支障になりかねないという懸念を示したと言えるだろう。

 米中対立が激化する中、東アジアの安定に対する日韓両国の責任は重い。関係悪化を放置することは自らの国益も損なう。そうした自覚を持つ必要がある。

 韓国では来月の大統領選を受けて、5月に次期政権が発足する。与野党の有力候補はいずれも、日韓関係の改善が必要だという認識を示している。

 もつれた糸を解きほぐすのは簡単ではない。両国政府は今回の外相会談を機に丁寧な対話を重ね、事態打開を目指して努力しなければならない。

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