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衆院の憲法審査会 まずは熟議の環境作りだ

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 衆院の憲法審査会で与野党による自由討議が始まった。来年度予算の成立を待たずに審議に入るのは異例だ。

 与党に加えて、改憲に前向きな日本維新の会や国民民主党も開催を強く求めた。予算案の審議に集中すべきだと主張していた立憲民主党も方針転換した。

 自民党は、自衛隊の存在明記や緊急事態条項の創設など4項目の改憲案について、議論に入る機会をうかがう。しかし、条文の中身を議論する前に、解決すべき課題がある。

 まず与野党が取り組まなければならないのは、改憲の是非を問う国民投票が実施される際のCM規制のあり方だ。

 改憲には衆参両院の3分の2以上による発議と、国民投票での過半数の賛成が必要となる。

 その手続きに関する国民投票法は昨年改正された。だが、CM規制の具体策は先送りされた。このため法律の付則に、再来年までをめどに対応するよう明記した。

 国民が改憲案の内容を見極めるには、バランスの取れた情報提供がなされることが欠かせない。

 2015、20年に実施された「大阪都構想」の賛否を問う住民投票では、賛成を唱える維新勢力が資金力を背景にテレビCMを大量に流したことが問題視された。

 こうした経緯を踏まえれば立憲が今回、CM規制を先に議論すべきだと主張したのは理解できる。

 憲法を巡っては、国会でのオンライン審議が可能かどうかも検討課題に浮上している。

 憲法56条は本会議を開く要件を「総議員の3分の1以上の出席」と定める。衆参両院の規則は本人が議場にいなければ採決に加われないと記し、議場にいることを前提としている。憲法の条文を改正せずとも、オンラインを「出席」とみなせるかが焦点だ。

 自民、立憲など与野党6会派が導入に前向きな見解を示した。新型コロナウイルス感染拡大を受けて現実的な問題となっており、優先して取り組むべきだ。

 具体的な条項に関するテーマは、自民党の4項目に限ったものではない。統治機構のあり方など幅広く議論する必要がある。与野党は熟議ができる土台を整える努力を尽くさなければならない。

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